ブログのテーマだけでビビっと来た方も多いのではないでしょうか?
発達障害の二次障害で悩んでいる全国の皆様、お待たせしました!
とうとうこのブログでも二次障害のテーマを取り上げる事ができました…
投稿頂いた方かえるさんに感謝です!
かえるさんは症状についてよく観察されているので、描写が細かく、二次障害が無い人にも「これは!」と思える内容が多々含まれています。
是非お読み下さい♪


<投稿者:かえるさん>

皆様初めまして。かえる(仮)です。
ブログを書く機会を頂きましたので、本日は二次障害について書かせて頂きたいと思います。

発達障害は二次障害として気分障害や不安障害を合併しやすいと言われています。発達特性ゆえに社会的に失敗を繰り返し、ストレスフルな環境に身を置きがちだからでしょう。中でもADHDは双極性障害(躁鬱病)を合併しやすいことが分かっています。双極性障害を持つ人の約23%はADHDを合併しており、かつ合併例では発症年齢も低いという研究データもあります。

かく言う私もその当事者の一人です。
高校生の時、ベッドから起き上がれない状態になり、うつ病と診断されました。SSRIの服薬を始めましたが、双極性障害に対して抗うつ病薬であるSSRIを投与すると躁転しやすいため、危険な誤診でした(本当は双極性障害なのに躁エピソードが見逃され、うつ病と診断されてしまう例は多くあります)。服薬開始から半年後、自殺未遂で救急搬送され1か月ほど入院しました。このエピソードは、今思えば躁転によるものだったのでしょう。SSRIは気分の落ち込み(うつ状態)を治療する薬なので、上がりすぎてしまう(躁状態になる)のです。

うつ病の自殺のリスクが最も高いのは回復期です。うつの底では心も体もエネルギー切れで何もできない状態だったのが、治療により体が回復することで「自殺するエネルギー」を真っ先に取り戻してしまうのです。気分障害の治療は長期戦。急がば回れ、慌てず焦らず少しずつ回復を目指すのが一番の近道です。

双極性障害に対しては、リチウムやラミクタール等の気分安定薬(躁鬱の波をおだやかにする)が適切です。私も現在ラミクタール200mg/日の服薬を続けており、気分変動はずいぶんマシになりました。全くなくなる訳ではありませんが、以前のように全く動けなくなる日が減って、毎日起きて電車に乗ることができるようになりました。ラミクタールは副作用に薬疹があり、合わない人は合わないのですが、私のように合う人には本当に合うお薬です。

逆に、ストラテラは私には全く合いませんでした。特に双極性障害を持つ人には躁エピソードの悪化リスクが高く、慎重投与の対象です。私は服薬から3日で入院していた頃を彷彿とさせる不安定な精神状態になり、強い不安と希死念慮に襲われました。

もうひとつ、以前のオンライン当事者会で話題になった抑肝散も服用しています。正確には少し効き目がマイルドな抑肝散加陳皮半夏。イライラして焦ることが減り、それによって失敗も減りました。これを飲まないでいると考えがとっ散らかって、脳内がとても忙しくなります。同時に4つ5つの考えが浮かんできて、「これが思考の多動性か」とハッキリ分かりました。脳内が忙しいのは「当たり前」だったので、それをお薬で抑えるだけでこんなに楽になるのか……と愕然としました。この効果はストラテラやコンサータが効いている人の感想と似ているようにも思います。

躁や鬱の気分変動があると、ADHD由来の失敗が増えるのでよく分かります。逆に気分さえ安定していれば、比較的失敗を減らせます(完全になくなる訳じゃありませんが、マシです)。双極性障害とADHDの合併で悩んでいる方は、まず双極性障害との付き合い方を覚えた方がいいかもしれません。忘れ物をしても死ぬことはありませんが、忘れ物によって精神的ダメージを負い、うつ状態に陥ると大変危険です。逆に、忘れ物をしても落ち込みすぎず「まぁいっか!」と切り替えることができる人は、ADHDであっても気分障害とは無縁に楽しく生きています。私もその境地を目指したいところです。

双極性障害と付き合うには、自分の調子を観察することが一番大事です。睡眠や食事が乱れていないか、お風呂に入れるか、家事ができるか、化粧にかける時間が増えたり減ったりしていないか。私の場合、睡眠時間を削ってまでゲームに熱中し、化粧にかける時間が増えてやたらに買い物するようになったら軽躁状態。食欲がなくなり、身支度が億劫になってお風呂に入るのも嫌になってきたらうつ状態です。なんだかおかしい、と自分で気付く事が一番の対処方法。意識して睡眠を整えるとか、友達に連絡を取って気分転換するとか、主治医と相談してお薬を調整するとか、早めに手を打つことで悪化を防げます。

誰しも一定の気分変動があるものですが、その気分に振り回されるのが双極性障害のしんどいところ。それが度を過ぎないようにセルフコントロール能力を身につけるのが、私たちの道であるように思います。

 

 

(ちひろコメント)
かえるさん、記事の投稿ありがとうございました!
症状から薬の名前、そして自殺未遂と言う強烈なエピソードまで…
コラムという感じで読ませてもらいました。勉強になります。
かえるさんが文中で”観察が大事”と仰っていますが、この”観察”というのは私がかねてより勉強しているブリーフセラビーという心理療法においてもすごく大切にされているアプローチです。
心理学的に有効だと言われている手法をかえるさんなりはご自身の工夫で自然に行ってしまっているのがすごいですね♪
ブリーフセラピーでは”観察”から本人の生活で”少しでも良かった(マシな)時”というのを探してもらい、それをどんどんやっていく介入方法を行う事があります。解決思考のアプローチなんて言われる事も。
(マジで辛い時は”マシな時”なんて無い場合もありますよね。そういう時はまた別のアプローチがあるのですが、それは今度ブリーフセラピーの内容を記事で紹介する時に一緒にお伝えしますね♪)
観察って言うのはめっちゃ大事なんですね。
大事な割に、意外と大きな負担が無くできるというのもポイントです。
”ポジティブに考えろ!”と言われたり”○○はやるな!”と言われても、それがいくら正論だろうがなかなか身に付いた習慣からは逃れるのが難しく、わかっていてもできない!なんていうのはあるあるですよね。
観察は意識を向けるだけなので、抵抗なく出来る方が多いです。
私は観察というのを全然意識しない人間なので、観察がかなり下手です。
言われてみれば…!という事ばかり。笑
そんな観察べたな私みたいな人は、何か一つだけテーマを決めて観察するのもいいかもしれませんね。
例えば睡眠に課題を感じている人であれば、「朝スッキリ起きれる日とそうでは無い日は、夜寝る時間がどう違うのか?」みたいに絞ると観察しやすいです。「良く寝れる日の条件」みたく漠然とするよりはまずは時間に絞って観察し、傾向が出たら他もどんどん観察していくといいでしょう。
一方、観察上手な人は特に意識を向けなくても結構自然にやれちゃう人が多いですね。
「0時より前には布団に入っていて、身体を温かくした状態で、夕飯には油物を食べないっていう日はスッキリ起きれるかな」なんてスラスラ答えられる人は観察上手です。
ASDの方で確固たるルーチンがある方は観察も何も”決定事項”ですから、ご自身の習慣についてスラスラとルールを話せる人もいますよね。
ADHDすぎて型に全くハマらない私からすると羨ましい…

二次障害の話題から観察の話題に話がだいぶ逸れましたが、二次障害について「私もこんな二次障害あります」や「同じく双極性です」みたいなご意見がありましたら是非お寄せ下さい。
そして、ブログに掲載させて下さい。笑
かえるさんも書いて下さっていますが、二次障害で悩む方は大変多いです。
皆さんのブログ記事の投稿、お待ちしております!

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