「発達の遅れ」が気になる子どもへの教え方〜発達障害への適切な対応を考える〜
発達障害を持つ子どもの教育に関するセミナーに行ってきました。
子どももいない私が何故行ったかというと…現在の教育が私の頃と比べてどう変わったのか興味があったからです。
私が小学生の頃はADHDとかいう言葉は一部の人しか知らず、【落ちこぼれ】と言われて育ったわけですが、今は発達障害を持つ子向けのクラスがあるとかないとか…よく聞きます。
私が小学校を卒業してから十数年…あれから教育の現場はどう変わったのでしょうか。


このイベントは体験発表型のセミナーで、実際に発達障害を持つ子どもを育てたお母さんが登壇し、その苦労や失敗談・成功談も含めて包み隠さず赤裸々に語ってくれました。
発達障害の子どもの育児に必要なのは、本や専門医による理論や知識よりも、長期に渡った”実例”である———このセミナーは実際の”声”を多くの人にシェアしたい!という理念のもとこれまで16回に渡り開催されて来たそうです。
大阪での開催は今回初めてだそうで、通常は関東で開催されているみたいですね。会場は結構広い大ホールで、100人以上の(もしかしてもっとかも)聴衆が詰め掛けていました。
今回登壇してくれたお母さん・Sさんは現役のお医者さんだそうです。
「どんな理論が飛び出すんだろう…」とドキドキしていた私の予想とは裏腹に、Sさんは最初に一言
「今日はダメ母親代表で来ました」
お医者さんという肩書きのせいですっかり「なんか難しい話があるんだろうな」と私は思っていたのですが、実際は全然違いました。
何とも生々しくも共感出来るエピソードを彼女は語ってくれました。
その一部を軽く紹介します。

Sさんが息子さんを「あれ?この子ちょっと他の子とも違うかも」と感じたのは生後間もない頃から。
・特定の人からじゃないとミルクを飲まない
共働きのSさんと旦那さんに代わって子育てをしていたおばあちゃんからしかミルクを飲まないため、おばあちゃんが帰宅後はSさんや旦那さんがミルクをあげようとしても泣き叫び決して飲もうとしない、飲んでも吐くなど苦労したそうです。
おばあちゃんからは「あなたは生みっぱなしだから。愛情が足りないからじゃないの」といわれ、かなり凹んだそうです。
・全然寝ない
とにかく全然寝なかったため、あやすのがとても大変だったそうな。
赤ちゃんは喋れません。何を考えているかわからず、どうしていいかも全く分からない…

「もしかしてうちの子って…」と薄々感じていたものの、まさか自分の息子が何かしらのそういった障害があるなんて認められず、「それだけはない!」と必死に信じていたそうです。
誰かに「大丈夫ですよ」と言って欲しい…そんな藁にもすがる思いでSさんは小児の先生に相談に行きます。
先生は「3歳までは発達にばらつきがあるので気にすることありません。もしどうしてもお母さんが気になるのであれば検査もしますが…」と言ってくれたそうで、Sさんはそれで大層安心したそうな。
「やっぱり、うちの子は大丈夫!」と思い、検査を受ける気は全く無かったそうです。

そして「集団に入ればうちの子も何か変わるかもしれない」と思ったSさんは息子さんを保育園に。
しかし、保育園に入れた事で結果自分の子と他の子の違いがさらに浮き彫りになったそうです。

職場の人(小児科の先生)に息子さんの事を相談した所、「その気になったら読んで下さい」と発達関連の本を渡され、読むと「これはまさにうちの子…」と思う内容だったそうです。
そんなこんなで診断を受け、息子さんは4歳の時に公汎性発達障害と診断されました。
そこからあらゆる本を買ったものの、なにをしていいか具体的な事が本には載っておらず、読まないまま教育に迷走したそうです。
「好きな事な〜んでも好きにやっていいよ」とアメ方式を試したり、「これはやったらダメでしょ!」と厳しいムチ方式を試してみたり…
一体何が正解かわからず悩んだそうです。

その後、縁あって発達障害を持つ子どもの療育や学習サポートをやっているエルベテークという教室に通うようになり、息子さんがそこで学ぶ事だけではなく、Sさん夫妻もエルベテークで教え方を学んだそうです。
エルベテークのお陰でSさん夫妻はは教育方針にぶれる事無く、息子さんと向き合い続ける事が出来たそうです。
小学校・中学校の話も詳しくしてくれたのですが、割愛します。
聞いてて涙が出そうになるくらい、Sさん夫妻も息子さんも沢山苦労して困難を乗り越えて行きました。
現在、息子さんは「無理だ」と言われた単位制の高校に進学し、勉強を頑張っているそうです。(良い話)

 

さて、話は変わりますが、セミナーでは全編通して幼少期からの適切な教育支援の重要性が語られていました。
早期からの支援がいかに大切か———早め早めの対策で、大人になった時に差が出るそうな。
私が糞ガキだった頃はADHDという単語を知る人も殆ど居なかったので、確かに教育の現場はかなり変わりつつあるようです。

しかし、早期教育が大切とは…当たり前、当たり前の事なんですが…これ、結構キツいです。
じゃあ早期に支援を受けれなかった大人はどうなるの?って思いませんか。
私は思ってしまいました。

確かに大人は子どもに比べれば頭も固いし、すぐに変わるのは難しいかもしれません。
でも、私は教育の力を信じています。
学びに”遅すぎる”という事はないと思っています。
そりゃあ…0歳から受けれたらラッキーかもしれませんが、もう今更子どもには戻れません。笑
人生で一番若い日は今日!なのですから、もう手遅れと言われようが今からやるしかないと私は思っています。

今回のイベントの理念
【必要なのは本や専門医による理論や知識よりも、長期に渡った”実例”である】
というのは子どもも大人も変わらないと思います。

でこ女も”実例”をシェアしあい、生き辛さを抱えている人を減らす場となっています。
でこ女の皆さんは、勇気を出して体験談をチャットアプリに書き込んでくれたり、当事者会に来てくれて発言をしてくれます。
皆さんの言葉が誰かの道しるべになっているな〜と日々感じます。
出来なかった!失敗した!という経験がトラウマではなく、誰かの役に立つエピソードに変わるって何かすごいですよね。

今回のイベントに参加して改めてでこ女の良さを実感しました。(自画自賛ですが笑)

全然レポートになってなくてすみません。笑
今回のイベントはかなり勉強になりました。やっぱり偉い先生の講演を聞くのもいいけど、生の声というのはグサグサささります。
Sさんの息子さんの話はまるで自分の過去を言われているのかと思い、ドキドキしました。
このイベントは定期的に開催されているみたいなので、興味のある方はこちらのサイトをチェックしてみて下さい。(リンク

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