今日は少しアカデミックな話をしたいと思います。
ブリーフセラピーって何?というテーマです。
実は私、この3月にブリーフセラピストの資格を取りました。
マッサージやエステをするセラピストではなく、カウンセリングのように対話を通して癒すセラピストです。
実際私とお会いした人ならわかると思いますが、私は別に”癒し”というキャラではありません。笑
私がこの資格を取ったのは、なにもカウンセラーを志して取ったという理由からではありません。(もちろん、訓練を受けたのでカウンセリングも出来ますが)
このブリープセラピーの理論を学んだ時、「あれ?これって我々発達障害にとってめちゃめちゃ役立つ理論じゃね?」と思ったので、深く学び、ついでに資格も取ったという感じです。
そんなブリープセラピーの紹介を今日はブログを通して行いたいと思います。


ブリーフセラピーとは?

ブリープセラピーって聞いた事ありますか?
無いですよね。笑
私も聞いた事ありませんでした。
まず、男性用下着が頭をよぎった人も少なくないはず。(私がそうでした笑)

”ブリーフ”とは”短期”という意味です。
ブリーフセラピーは日本語にすると”短期療法”です。
それまでの心理療法は何年も継続してカウンセリング(面談、セラピー)を受けるのが当たり前でした。
しかし、ブリーフセラピーはこの常識を打破し、(モノによりますが…)大体10回程度のカウンセリングで解決してしまうという超短期解決を可能にした心理療法なのです。
だからブリーフセラピーという名前がつきました。
カウンセリングで対応する悩みは不登校、非行、虐待、トラウマ、発達障害、うつ、摂食障害、脱毛、等々。
とにかく種々様々な悩みをカウンセリング(セラピー)を通してクライアントの悩みを魔法のように解決しちゃうのがこのブリーフセラピーです。

どうですか?怪しいですよね。笑

実はこのからくり、なんてことはないんです。
このブリーフセラピーは”解決”だけに焦点を当てているので、とにもかくにも何でもアリの無差別級、ルール無用の心理療法なんです。

ブリーフセラピーには
”こうあるべき””こうしないといけない”
という”Should”や”must”がありません。
社会的常識や倫理も関係ありません。
重きを置いているのはクライアントが”何に困っているのか”そして”どうしたら解決出来るのか”だけ。
解決するのであればどんな手法も許される、近道オッケーの心理療法なんです。

こんな面白い心理療法、見た事無いです。(他の心理療法を全然知りませんが笑)

例えばリストカットをしてしまう女子高生がブリーフセラピーを受けたとします。
普通であれば「リストカットはダメな事だ。やめさせよう!」というところからスタートしますが、ブリーフセラピーの場合はこうとも限りません。
セラピストは「え!リストカットしてるの?ちゃんと消毒してる?」みたいな変な切り口(笑)からクライアントとの信頼関係を構築していきます。
そして徐々に質問を通じてリストカットの原因を探り、解決案を構築していきます。

ブリーフセラピーのすごいところは”犯人探しをしない”事です。

今のリストカットの例だと、「その女子高生には○○という心の病の可能性がある」とかなんとかお医者さんだと言うかもしれませんが、ブリーフセラピーはそんな事”どうでもいい”んです。笑
病気だろうが病気じゃなかろうが、とにかくクライアントが困っている。
そこに少しでも介入して解決へ導くのがブリーフセラピーなんです。
犯人探しをしないというのに私はめちゃくちゃ共感しました。
でこ女の理念に近いものを感じたんです。だからブリーフセラピーにハマりましたね。

それだけじゃありません。
ブリーフセラピーのセラピストは一般的な”先生”とは立ち位置が違います。
”クライアントこそクライアント自身の人生のスペシャリストである”というスタンスなので、上から目線の「こうしなさい」「こうすべきです」というアドバイスが無いんです。
”クライアントこそがクライアントの人生のスペシャリストである”ので、セラピストはあくまで”今回たまたま困りごとが出てきたクライアントに対して、サポートをする”という立ち位置なので、めちゃくちゃ込み入った「余計なお世話だよ!」という感じのアドバイスが無いのがまた気持ちいいセラピーなんですね。
「クライアントはこれまでの人生の困難をクライアント自身で乗り越えた強い存在であり、セラピストはそのクライアントに対してコントロールしようとするのはおこがましい事であり、余計なおせっかいをする必要はない。今回”たまたま”困りごとが出たからセラピーに来ただけである」ので、クライアントを”弱い存在”だったり、助けて”あげる”、救って”あげる”という上から目線で接する事はありません。

面白いですよね〜。
こんな感じの”自由すぎる”ブリーフセラピーは、臨床心理士さんや、精神科医、認知行動療法、催眠療法etc…様々な心理商法を学んだ人が最終的にたどり着くのがこの”ブリーフセラピー”だと言われています。
確かに私が学びに行った時も様々な専門家さんが来てました。

その割に学ぶためのハードルは低く、大学や大学院に行かなくても2日間の養成講座を受講するだけで基本は学べます。(資格の受験資格ももらえます)

学ぶだけでなく、セラピーを実際受けるのもオススメです。
私もモニター的なので受けた事あるんですが、とにかく気持ちいいセラピーです。笑
通常のカウンセリングはあまり終わりが見えない事が多いです。
まあ確かにカウンセラーさんも商売なので、○回終了!となるよりは、何年も継続して通って欲しいという気持ちもわかります。笑
ブリーフセラピーの場合は回数で区切ってある場合が殆どなので、何年もカウンセリングに通っている人はブリーフセラピーを受けてみるのもおすすめです。
ただ、問題はブリーフセラピストの数がすごく少ない事です。
資格を持っている人が100人〜200人そこそこしかいなかったはず。
臨床心理士が3万人以上居る事を考えると、ブリーフセラピストがいかにレアな存在なのかがわかります。笑
(しかも残念ながら”偽物”も多くいるという悲しい現状です)

話がそれました。
ブリーフセラピーは受けるのもオススメですが、学ぶ事もオススメです。
この学問は「あ〜!これが知りたかったんだよ!」という発達あるあるな”コミュニケーションの齟齬”が何故起きるかという原因を理論立てて説明してくれているからです。
その理由はブリーフセラピーが”犯人探し”をしない代わりに、全ての原因は”コミュニケーションのやり取りの上で存在する”と考えているからです。
「○○さんが悪い」「○○さんの△△という病気がこの問題の根本原因だ」とブリーフセラピーは考えません。
その代わり「問題を抱えている○○さんは××さんとのコミュニケーションに於いて、〜〜問題を抱えている。だから、コミュニケーションの取り方を〜〜〜風に変更する事で関係性を変える事が出来、解決に向かう」と考えるのです。
ここで大事なのは○○さんを責めることも××さんを責める事もしない事です。

発達障害にブリーフセラピーを勧めたい理由

私たち発達障害を持つ人は、往々にして”犯人”になりがちです。
「ちひろが仕事出来ないせいでうちの部署が上手く回らない。ちひろを何とかしないと」
というのが正攻法というか、普通の考え方ですよね。
ブリーフセラピー的な考え方は違います。
「ちひろさんが仕事上で問題を抱えているのは、組織のシステムに問題があるかもしれない。それかちひろさんの教育係の××さんとちひろさんのコミュニケーションのやりとりに齟齬が生じているのかもしれない。それとも上司と××さんの連携に何か問題があるんだろうか」
様々な可能性を考えます。そして、その中に”犯人”は存在しません。
これが私がブリーフセラピーを愛する理由です。

ブリーフセラピーの理論は発達障害を持つ人にピッタリの理論が沢山詰まっています。
このブログではとても書ききれませんが、今後もちょくちょくブログやメルマガで面白い理論を紹介していきたいなと思っています♪

ちょっとでも興味持った人は「日本ブリーフセラピー」のホームページを見てみて下さい。
偽物のブリーフセラピーを売りつけている業者も居ますが、日本ブリーフセラピーは安心の”本家”です。

今日はブリーフセラピーの紹介記事でした。
わかりにくいところも多々あったかと思いますが、続編でその辺もカバーしていけたらいいな〜。

それではまた次回!

ちひろ

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