発達障害を持つ女性のためのコミュニティ
2019年12月14日
〜2019年6月19日のメルマガより〜
皆さん、“ダブルバインド”ってご存知ですか?
二重拘束なんて言われ方もします。
簡単に言うと、“前門の虎後門の狼” “行くも地獄戻るも地獄” で、「どないせっちゅーねん!」という状態の事です。
今日はこの二重拘束の簡単な解説と、日常で上手く使いこなすテクをお伝えします!
例えば、こんな場面を想像して下さい。
お母さんがお子さんに「も~~!自発的に勉強しなさい!」って言ったとします。ここで
・子どもが勉強する→母親に言われてやったので“自発的”ではない
・子どもが勉強しない→母親の命令に逆らうことになる
つまり勉強しようがしまいが、母親の命令に逆らう事になるのです。
これが“ダブルバインド(二重拘束)”と言います。何してもダメやん状態の事です。
思い返してみると、皆さんもきっと身に覚えがあるはず。
「正直に言ってくれたら怒らないから」
・正直に言う→怒られた
・隠し通した→怒られた
「やる気が無いなら帰れ!」
・帰る→「帰るなんてとんでもない奴だ!」と怒られた
・帰らない→「やる気が無いなら帰れ」と怒られ続ける
「そんな下らない事報告するな!」
・報告をしなくなる→なんで報告しないんだ!と怒られる
・報告をする→何回も言ってるだろ!いちいち報告するな!と怒られる
ダブルバインドの例を挙げるときりがありません。
皆さんも一度は経験しているはず。
このダブルバインドって結構やっかいで、やられるとかなりのダメージを受けます。
故に、昔は統合失調症の原因だ!なんて言われてた時代もありました。(今ではその説が間違っていたと認められています。これについては詳しくなくてごめんね)
機械が矛盾する2つの信号を入力された時にエラーを起こしたり、壊れたりするのと一緒で、人間も矛盾する二つの命令を受けると壊れてしまう、というのがダブルバインドの学説です。
しかし、私は「ダブルバインドって辛いよね」という話をするつもりは無く、ここからが本題です。
実は実生活においてこの“ダブルバインド(二重拘束)”がとっても役に立つんです。
ダブルバインドは強力である分、プラスに使えば大きなメリットがあります。
実際、治療的ダブルバインドと称して、精神治療の現場ではこの二重拘束を使って患者さんに指示を出しているそうな。
不登校の子に対して
「君は疲れているからゆっくり休む必要がある。いいかい?次回の面談まで絶対に学校に行ってはいけないよ。そしてもちろん勉強もダメだ。10分だってやってはいけないからね。」
とセラピスト(カウンセラー)がアドバイスするのです。
この場合、セラピストの指示に逆らって学校に行ったり勉強しても何も困らないどころか、むしろ治療が進んでいますよね。セラピスト的にラッキーです。
指示通り休んだのであれば、それはセラピストの指示にしっかりと従ってもらったという事ですよね。こちらもセラピスト的にはラッキーです。
こういう感じで上手い事「どっちに転んでもラッキー」状態を作り出す事も出来るのがこのダブルバインドです。
これを私は日常生活でも多用しています。
「ちひろ~!ボーリング行こうよ!」
『いや、無理無理!ボーリング下手だし…』
「またまた~!本当は出来るんでしょ?行こうよ!」
『マジで出来ないよ。ならさ、もしうちがスコア100行かなかったらジュース奢ってや』
「え…100行かないとか無いでしょ。いいよ。もしいかなかったらね。」
結果、スコアは当然100いかなかったのですが、この場合、私はジュースを奢ってもらえてラッキーです。
仮に100超えたらこれは私の自己ベスト更新なわけでラッキーです。
逆にダブルバインドを使わなかったとしたら、私はスコア100も出せず恥をかき、意気消沈して帰るわけです。
それはあまりに残念すぎますよね。踏んだり蹴ったりです。
なので、私はダブルバインドという言葉を知る前から、こんな感じで多用していました。
おそらく皆さんも無意識に使っているのではないでしょうか?
「試験で落ちたら残念会しようよ」「もしフラれたら慰めて」…等々
ダブルバインドはめちゃくちゃ便利です。
凹みの種を摘んでくれます。
私の場合、変な頼まれごとをされた時によく使います。
「パワポのデザインお願いできない?」
『マジでデザインは無理。うちのデザインがもし気に食わなくて作り直した場合、飯奢ってや!』
「いやいや!大丈夫だって、ちひろに任せれば。作り直しなんてしないよ。万が一そうなったらご飯奢るわ!」
という具合に交渉します。
これが例えば「プレゼンの発表パートだけお願いできない?」みたいに私の得意分野であればもちろん二つ返事でOKします。
ただ、「出来ない」って言ってるのにしつこくお願いされる場合に、こういうセーフティネットを張ります。笑
そして、出来なかったとき「だから言ったやろ~(ドヤ顔)」となります。笑
やられた方は身を持って知るわけなので、二度と依頼されないというメリットもあります。
“ジュース”や“ご飯”を賭ける事で、その後強制的に相手とコミュニケーションを取る機会があります。なので、関係も悪化しません。
ここで大事なのは失敗したときのご褒美は大きすぎても小さすぎてもダメ、という事です。
「もし試験に落ちたらハワイ旅行行くぞ!」なんて決めた日には、私は試験に落ちようと努力してしまいます。笑
このご褒美の“ちょうどいい大きさ”は人によって違います。
どっちに転んでもラッキーくらいのちょうどいいご褒美を用意すると『転ばぬ先の杖』と言うより『転んだ先もラッキー☆』になるのではないでしょうか。
今回はコラムなのでアカデミックな話はすべて割愛し、超ざっくりな説明に留めています。
ダブルバインドを起こす条件が定義されてたりします。これもまた面白いんですよ。
ダブルバインドをちゃんと知りたい!という人は調べてみて下さいね♪
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