こんにちは、かえるです。

突然ですが仕事クイズです!

 

あなたは、あるお店で仕事をしています。
今は掃除の時間です。
この店では決まった時間に、店長以外の全員で掃除をすることになっています。

掃除をしていると、店長に声をかけられました。
「段ボールを運ぶから手伝ってほしい。数が多いので」
店長は段ボールを運んでいます。確かにたくさんあるようです。

どうしますか?

A:「ごめんなさい。今は掃除中なのでできません」と断る
B:「分かりました。掃除が終わったら運びます」と答える
C:掃除をやめて店長を手伝う

 

答えを決めてから、続きを読んでください。

 

 

答えは決まりましたか?

では、答え合わせです。

 

A、Bを選んだあなたは、店長にとても嫌な顔をされました。
店長はお店で一番偉い人です。指示にすぐ従うのは当然です。
店長はもう段ボールを運び始めていて、数の多さに困っているのですから。
反抗的で言うことをきかない部下、と思われてしまいました。

この選択はまちがいです。

 

Cを選んだあなたは、掃除を切り上げて段ボールを運ぶ手伝いをすることにしました。
段ボールを運んでいると、先輩に声をかけられました。
「今は全員で掃除をする時間だよね? え、店長に頼まれた? そんなの後でいいですよね」
協調性のない同僚、と思われてしまいました。

この選択もまちがいです。

 

 

正解は……

D:「掃除の途中なんですが、急いで運んだ方がいいですか?」とその場で店長に聞く

です!

この問題を迷わず正解したあなたは、どんな職場でもそれなりにやっていけます!

 

これは、仕事で常に持ち上がる「優先順位問題」です。

やらなければならないことが複数発生したら、「どれから片付けるか?」と優先順位をつけて動かなければなりません。
特に、このお店のように「他の人と協力すること」を大事にする職場では、軽率な行動をすると皆に白い目で見られます。

 

ここで重要なポイント。

店長は、あなたが今「掃除をしなければならない」ということを把握していません。
現在の状況を説明し、「掃除を抜ける許可」をもらうべきです。
「掃除が終わってから」でいいかどうかも、店長に確認するべきです。

また先輩は、あなたが「店長に頼まれたから段ボールを運んでいる」ということを知りません。
全員が協力して掃除をしなきゃいけないのに、なぜあなただけが違う仕事をしているのか? と、いらだちを覚えたのです。

誰かと共同する仕事で一番大切なのは、「自分の行動を自分で決めてはならない」ということ。

何をすればいいのか迷ったら、すぐに上の人に聞く。
というのが鉄則です。

なので、

E:先輩に「店長に段ボールを運ぶよう言われたんですが、行ってもいいですか?」と確認する

も、ベストではないですが、まだマシな選択です。
先輩は「それ急がないんじゃない? 掃除中だから後でもいいかどうか聞いてきたら」と返事したことでしょう。
あるいは、あなたが段ボールを運んでいても「店長に頼まれたなら仕方ないな」と何も言わなかったことでしょう。

 

他の人と協力して働くって、本当に、大変ですね!!

 

察しのいい方はお気づきかもしれませんが、これは先日、実際に私が直面したことを元にしたクイズです。
私が選んだ行動は『C:掃除をやめて店長を手伝う』でした。

このクイズには、ASD者がぶつかりがちな「サリーアン課題」が大きく絡んでいます。
(サリーアン課題について説明し始めると長くなるので検索してみてください)
ASD者は、相手の考えを推察することが苦手、つまり「相手が見ている世界」と「自分が見ている世界」を切り離して考えることができない、のです。

自分が知っていること、見聞きしたことは、当然、相手も知っているだろう。
――という前提で行動してしまいます。

店長は「掃除をしなければならない」ということを把握していない
先輩は「店長に頼まれたから段ボールを運んでいる」ということを知らない

ということを、即座に理解できていなかった。

『掃除中にも関わらず声をかけてきたのだから、重要なことなのだ』と考えて、指示通りに段ボールを運んだ。
だが、先輩に「今は全員で掃除を」と言われてしまう。
『店長に指示を受けたから段ボールを運んでるのに、どうして「今は掃除をしろ」なんて言うの?』

言われることが、人によって違う!

すっかり混乱状態です。

 

 

どうして、こんなことが起きるのか?

 

「私」「店長」「先輩」の見えている世界はそれぞれ違います。
立場の違う複数の人間が、それぞれ別のものを求めている状況では、混乱してしまうのです。

「店長」は、自分の仕事を手伝ってくれる人を探している。
そこに「あなた」がいたので、声をかけた。
「あなた」が、その仕事を引き受けられる状況かどうかは把握していない。

「先輩」は、当然、今は全員で掃除をするものだと思っている。
輪を乱す「あなた」を注意するのは当たり前。

 

スムーズに……協力して……すべての人にカドが立たないように……
なんて、うまくいった試しがありません。

こういうのを「要領が悪い」と言うのでしょう。
言われたことを忠実にやろうとしているのに、いつの間にか全方位に怒られる。

最終的に私は先輩に言われた通り、店長に改めて確認しにいきました。
「すみません、掃除を全部終わらせてからでもいいですか」
「いいよいいよ、っていうか最初からそのつもりで頼んでたよ」

こうして私は無事に掃除を終わらせ、店長を手伝うことができましたが、
運んでいる途中の段ボールを「あとで運ぼう」とその辺に置きっぱなしにしたので、先輩には更に怒られました。
「あんな半端なところで放り出すな」……と。

何もかも、もう何もかも、何もかもがダメです。

 

 

ADHD複合型の私は、別の失敗パターンもあります。

 

「はい、わかりました!」と元気よく返事をして、走ってつまずいて花瓶を落として割る

段ボールを3個一緒に持ち上げようとして落として、全部だめにする

掃除中、本棚の本が順番通りになっていないことに気づき、全部引っ張り出して並べ直しはじめる

 

なんでそうなるんだよ!!?

 

ごめんなさい。
今なにをどうすればいいのか、
どうしてこんなに要領が悪いのか、
本当に、わからないんです……。

 

 

コメント

  1. 2020-03-13 21:30:35

    by かえる

    >robaさん
    遅ればせながら、コメントありがとうございます!
    他人のことを腐った脳みそ呼ばわりするなんて、社会人として、そもそも人間としてちょっとおかしいので、robaさんは悪くないと思います!
    その理論だと私も腐った脳みそになってしまいますが。私の脳みそは輝いてるので。馬鹿にしないで欲しいです😊✨

    こういう視点もあるのかー、程度に見て頂けたらー。
  2. 2020-02-24 22:18:49

    by roba

    Cを選びました。正解だと思ったのに間違いなのですね。なぜ私がいつも「腐った脳みそ」だの「脳みそにウジがわいている」だの悪罵される理由がわかりました。相手の立場考えてるつもりなのに、いつも怒られるので今度こそと思ってやっているのにできませんね、なかなか。

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